2003年02月17日
三井化学、BPAの輸出価格も引き上げへ
中国向けは2月から、他のアジアのPC向けは2Q分から
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はBPA(ビスフェノールA)の国内価格を2月20日出荷分から1キログラム20円引き上げるが、合わせて中国向けのスポット輸出価格も同様に2月中旬以降の船積み分から底上げすることにしてこのほどユーザー各社に通告した。上げ幅はトン当たり200ドルで、エポキシ樹脂用のCFR価格を同1,150〜1,200ドルに改める。
 
 また同社では、PC(ポリカーボネート)用を中心とする他のアジア諸国向けのコントラクトものの価格も第2・四半期分を同200ドル引き上げる。韓国、シンガポール、タイ、台湾といった国々に対するCFR価格を最低同1,200ドルとする。
 
 こうした一連の価格是正は、出発原料のベンゼンとナフサの価格が世界各地で急騰していることに対処してのもの。これらの昨年末の国内価格は、ベンゼンがキログラム当たり52円、ナフサがキロリットル当たり2万3,500円(第4・四半期平均は2万3,900円)であった。それが直近の価格は、ベンゼンが同60円台の後半で、ナフサは同2万円7,000円弱となっている。第2・四半期にはベンゼンが同70円超えとなり、ナフサは同3万円に達するとの公算が濃厚となっている。
 
 一方の需要はPC向けを中心に引き続き好調で、このため特にPC向けは需給が逼迫状態にある。これは、昨年春以降アジア諸国でPCの新・増設が相次いでいる反面、BPAの同樹脂向けグレードの生産能力がメカニカルな要因からさほど増強されにままきていることによるもの。
 こうした環境条件を睨んで、他のBPAメーカーも相次いで内外の価格是正に乗り出すものと見られる。