2003年02月18日 |
セラニーズが酢酸の値上げに50ドル上乗せ |
メタノールの高騰に対処、19日からの実施を表明 |
【カテゴリー】:市況 【関連企業・団体】:昭和電工 |
酢酸のトップメーカーである米・セラニーズは、中国の同製品の需要家ならびにトレーダーに対して同国向けスポットものの輸出価格を19日出荷分からトン当たり50ドル引き上げると通告した。 これまで同社は、昨年第4・四半期分と今年第1・四半期分のベンチマークプライスをいずれも同30ドル値上げすることにして各国のユーザーに同意を求めてきた。わが国の酢酸メーカーも、中国を始めとしたアジア地域向け価格を同様に2期トータルで60ドル引き上げるべく各需要家と交渉中。CFR650ドルが多くの酢酸メーカーの目標となっている。 セラニーズは、それに加えて、シップメントベースの切り替えとなっている中国向けスポット価格にはさらに50ドルの上乗せを実施したいとの意向を表明したもの。 酢酸メーカー各社の昨年末いらいの相次ぐ値上げ表明は、原料メタノールとエチレンの価格の急騰に対応してのもの。今回のセラニーズの追加値上げの理由も同じ。 対する需要は、わが国の酢酸メーカーによると、今年に入ってもアジア地域を中心に引き続き順調な伸びを遂げている。特に中国の需要は、家具用や室内用の溶剤が環境規制によって酢酸ブチルあるいは酢酸エチル製品に切り替えられつつあることも作用して旧正月明けも従来以上の伸びを示している。 一方の供給力は従来と同じ規模にとどまっており、しかも2月からアジア各地で酢酸プラントの春の定期修理が相次いでスタートしてもいる。マレーシアBPの年産40万t装置、昭和電工の同10万t装置、共同酢酸の同40万tプラント、シンガポール・セラニーズの同50万t設備、韓国・三星総合化学の同35万t装置--などが5月末までの間に順次運休する。 それだけに、酢酸各社の値上げ要求は3月早々にもほとんどのユーザーから受け入れられることになると見られている。 |