2003年02月19日
三井化学、PTAの価格を内外ともに再修正へ
PXメーカーの大幅再値上げに対処
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、原料PX(パラキシレン)の大幅な再値上げに対処してPTA(高純度テレフタール酸)の3月の出荷価格を海外向けも国内向けもともに再度引き上げる方針を固め、内外の需要家ならびにトレーダー筋に対し説明と説得を開始した。
 
 上げ幅は、輸出価格がトン当たり150ドル、国内価格がキログラム当たり20円となっている。
 同社はPTAの価格については、PXの価格が1月と2月に連続して引き上げられたことに対処して、海外向けも国内向けも2月分をともに底上げすべく各ユーザーと交渉を重ね、その結果、最近になってようやく大方の需要家から同意を得られるようになってきたばかりのところ。PXの価格は1月こそトン当たり10ドルにとどまったものの、2月は一気に同115ドル引き上げられた。これに対応して同社では、2月のPTAの輸出価格を同80ドル、国内価格をキログラム10円それぞれ底上げすることにして折衝を続けてきたもの。
 
 今回の値上げは、その後のインターバルなしの2ヵ月連続となるものであり、しかも上げ幅がこれまで以上に大きいだけに内外のユーザーの説得は容易でないと予想される。しかしPXメーカーが現在打ち出している3月出荷分の上げ幅は同220〜270ドルというかつてない規模で、自らの合理化努力で吸収できる範囲のものではないので製品価格への転嫁に踏み切るほかないと同社では説明している。
 
 PTAの需給は、特に中国の需要が引き続き好調なこともあってアジア全体にタイトバランスにある。それでもなお、需要家の中には強く抵抗するところが相次ぐことになりかねない。しかし同社も上げ幅を縮小すればその分赤字が増えるだけに、同意を得られない場合は出荷を減らしていくこともありそう。