2003年02月21日 |
VECの武田会長が会見、原料高が最大の悩みと強調 |
PVCの国内需要はおおむね順調と論評 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:信越化学工業、東ソー、塩ビ工業・環境協会 |
塩ビ工業・環境協会の武田正利会長(鐘淵化学工業社長)は21日、土屋隆副会長(東ソー社長)、市村浩信副会長(信越化学工業常務)らとともに定例の記者会見に出席し、塩ビ工業の現状と当面の課題について見解を明らかにした。この中で同会長は、「PVCの国内需要が5ヵ月連続で前年同月を上回ったのは明るい材料」としながらも「ナフサを始めとした原燃料が軒並み高騰しているのが大きな悩み」と述べ、引き続き塩ビ業界が厳しい状況に置かれている点を強調した。 同会長の発言要旨は以下の通り。 ○PVCの国内向け出荷は昨年9月以降5ヵ月連続で前年同月を上回っており、おおむね順調に推移していると言ってよい。1〜3月期がこのままいけば、年計の国内向け出荷量は前年と同じレベルになると予想される。 ○反面、輸出は1月も前月に続いて前年同月を下回っており、これが早期に回復することはあまり期待できない。最大消費国の中国がナフサの先高観に基づいて在庫を積み増ししていることが少なからず尾を引くと見る。 ○国内のPVCの月末在庫が増えている点を心配する向きもあるようだが、3〜4月にPVC設備が相次いで定修に入るので問題ない。比較的早い時期に適正規模に戻ると見てよい。 ○問題はやはり最近のナフサの高騰だ。各社とも再び採算を大きく圧迫されつつあり、早急に何らかの対応策を講じなければならない。 ○そうした一方で、塩ビの持つ対環境面での優位性、つまり省資源・省エネルギー性などは多くの市民や市場にきちんと認識・評価されるようになってきた。今後も、加工業界の皆さんとの連携の強化によってリサイクル活動を一層充実させるなどで、塩ビに対する一般の理解をさらに深めていくようにしたい。 |