2003年02月27日
三菱化学、OPSの価格の改定を発表
3月21日出荷分からキロ30円引き上げ
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学は27日、二軸延伸ポリスチレンシート(OPS)の販売価格を3月21日出荷分から改定すると発表した。
 3月から実施される原料ポリスチレンの値上げに対処してのもので、上げ幅1キログラム当たり30円。アップ率は品種によって異なるが、最低でも10%となりそう。
 
 同社のOPS(商品名・サントクリア)の値上げは、最近では昨年夏に続いて今回が2度目。ただし前回は需要家の強い抵抗で狙い通りの是正ができず、このため春に引き上げられた原料価格のアップ分のかなりの部分は同社自らが負担するかたちでこんにちまできている。それだけに今回の原料の高騰に対しては全面的に製品価格に転嫁しないと、事業存続の危機に立たされることになると同社では説明している。
 
 OPSの需要は、弁当容器や惣菜容器の蓋、フードパック、さらには米菓・珍味トレーなどを中心に年々着実な成長を遂げてきている。昨年の総出荷数量は16万4,000tで前年を4%上回った模様。今年も3%前後の伸びが見込まれている。
 ただし、昨年同シート業界の一部で増設を実施したところもあって、現在の業界全体の設備能力は約19万tとなっている。
 こうした点も睨んで、三菱化学は今年4月に筑波工場内の合計4系列のうちの1系列の運転を休止する計画。年産8,000t分が運休となり、その結果、水島工場の設備を合わせた同社の総設備能力は4万2,000tとなる。運休を決意した最大の要因は、同シートの市場の6割が西日本地域に存在しているため、経営環境の悪化に対処して筑波の生産比率を極力引き下げていくことが経営効率上重要となってきたことにあるという。このため、運休設備については廃棄も視野に置いているという。