2003年02月28日
NEDOが試算「発光ダイオードの普及見通しと経済効果」
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:NEDO

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は、26日から幕張メッセで開かれた「ナノテク2003」展で、「21世紀のあかりプロジェクト」として取り組んでる発光ダイオード(LED)の今後のスケジュール、普及見通しなどを明らかにした。
 
 同プロジェクトは、白熱灯電球やけい光灯に比べ、小型で非常に明るく、長持ちで、省エネルギーが促進できるなどの特徴のあるLEDを、2008年ごろまでに実用化しようというもの。具体的には40w電球の約8倍、けい光灯の約2倍の発光効率(1wの明るさ)に相当する120 1m/wていどの高光度のLEDによる照明用光源を普及させようとしているわけだが、照明器具として広く使われるためには、照明器具としてのデザインや生理的、心理的問題の解決が残され、産学官の協力体制の強化も望まれている。
 
 わが国の電球類は1955年の販売量が1億6,900万個。これに対して2000年には約5億9,200万個(約2,550億円)と、45年で3.5倍も伸びた。一人当たりの消費量が1955年の1.9個から2000年には4.7個に増えている。この間、白熱灯電球にかわってけい光灯が全体の70%近くを占めるようになった。
 
 NEDOの計算では、LED照明器具はいまのところ電球の約1.8倍、けい光灯の約1.3倍と価格が高くなるものの、寿命が電球の平均約1,000時間に対して1万時間と長いため、結果として経費節減になるとみている。1日8時間電灯をつけたとすると、LED照明の電気料金は電球に比べ年間2,355円(40w電球で比較)、けい光灯に比べ1,410円安くなるという。
 
 また、2010年にLED照明が照明器具の70%になるとすると、市場規模は5,000億円以上になると予想している。原油換算で年63万kl、年間約25億9,000万kw/hの省エネができ、電気料金では500億円以上の節約になると試算している。