2003年03月05日
中国からのポリオレフィンの引き合いが低調に
値上げの表明に強い拒否反応出始める
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 大手商社各社によると、中国のポリオレフィンのトレーダーや需要家からのオファーに変化が出始めた。旧正月明けの引き合いは極めて活発であったが、2月中旬以降は明らかに縮小に転じてきているという。
 
 その要因について多くの商社は、同国の需要家が今年に入ってからの輸入レジン価格の相次ぐ上昇分を製品価格に転嫁できなくなってきたため買い控えに踏み切らざるを得なくなったこと、国内相場の上昇をにらんで中国のポリオレフィンメーカーやディーラーがこれまで溜めていた在庫を放出しはじめたこと、の2点を挙げている。
 
 わが国のポリオレフィンメーカーや商社は、原料ナフサの高騰に対処して3月渡し分も引き続き値上げする意思を表明している。いずれの樹脂についてもトンあたり100ドル前後の値上げを打ち出している。
 
 直近のオファー価格は、HP-LDPEがトン当たりCFR800ドル、HDPEが750ドル、L-LDPEが740〜750ドル、PPのホモポリマーが840〜850ドル、PPのブロックコポリマーが870ドルなどとなっている。
 
 しかし、こうした高値のオファーにすんなり応じるユーザーは少なく、このままいくと日本だけでなくシンガポールや台湾、韓国などの樹脂メーカーも厳しい局面に追い込まれそう。