2003年03月06日 |
東セロ、PPフィルムの半分強の生産を停止 |
SMPOからの原料樹脂の供給途絶で非常措置 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:東セロ、東洋紡 |
PP(ポリプロピレン)フィルム大手の東セロは、4日から6日までの間に茨城工場と古河工場の汎用PPフィルム設備の稼動を順次停止する措置に踏み切った。 これは、同社が必要とするPPのメーンサプライヤーである三井住友ポリオレフィン(SMPO)が、同樹脂の値上げ交渉の不調に対処して3月2日から東セロ向けのPPの出荷を停止したことに伴うもの。 SMPOは、昨年7月に同樹脂をキログラム10円引き上げたのに続いて今年2月にさらに5円の値上げを実施する(ポリエチレンは15円)方針を打ち出し、かねてからユーザー各社と折衝中。東セロとも交渉を重ねてきたが、東セロが、前回のレジンのアップ分を製品フィルムの価格に転嫁できていないため採算割れに陥っていることを理由に値上げを拒否したことから、出荷を辞退することにしたもの。 今回停止した東セロの設備は、茨城工場内の延伸フィルム(OPP)装置2系列と古河工場内の無延伸フィルム(CPP)装置2系列の計4系列。いずれも汎用品を対象とした量産設備である。4系列の生産能力は、OPPが月産1,800t、CPPが同1,100tの合計2,900t。同社のPPフィルムの総設備能力(関連会社分を除く)の半分強の規模である。 これに伴い、来週から需要家各社への供給に影響が出てくるのは避けられそうにない。当面同社では、在庫の放出によってユーザーへの影響を出来るだけ小さくしたいとしているが、在庫規模がもともとさほど多くないので、SMPOの出荷停止措置が長引けば深刻な事態が発生することになる。 同社では最悪の事態を回避するため、PPフィルムとPEフィルムの両方の価格を3月20日出荷分から値上げすることにしてユーザー各社と説明し、説得に乗り出している。上げ幅は、1連(20ミクロン厚で500平米)当たり300円。PPフィルムの値上げは東洋紡、二村化学、大日本インキ化学などがすでに打ち出している。 |