2003年03月07日
「光触媒部材」研究でYKKなど7社コンソーシアム
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:住友化学、松下電工、NEDO、日本板硝子

 経産省が03年度から実施する「フォーカス21」研究開発プロジェクトの一つ、「光触媒利用高性能部材」の開発研究にYKK、日本板硝子など金属材料やガラスメーカー7社が挑戦する。近く行われるNEDOの公募に計画を提案する。初年度事業予算は約9億4,000万円(国が50%補助)、3年以内の実用化をめざす。
 
 最先端の光触媒技術を利用して、省エネ効果の優れた住宅部材を開発していこうというもので、研究に参加するのはYKK、川崎製鉄、松下電工、日本板硝子、太陽工業、東陶機器、泉の7社。このほど共同で「光触媒利用放熱部材開発コンソーシアム」を設立した。
 
 光触媒が本来もっている「超親水性機能」を建築用部材に取り入れ、省エネ効果の高い住宅やビル用の外壁材を共同で開発する。外壁に親水性の高い光触媒をコーティングし、表面に微量の水を流して薄い水膜を形成させ、その蒸発潜熱で建築構造物を冷やす。冷房用エネルギーの低減を狙う。
 
 今後の研究開発には、高度な親水性機能をもった光触媒材料や光触媒膜の開発だけでなく、安全性、耐久性、実証効果の検証などが必要になる。新発足したコンソーシアムでは、東京大学先端科学技術センターの橋本研究室と共同でこれらの研究を進めていくことにしている。
 
 一方、外壁だけでなく壁紙、カーペットなど内装に光触媒技術を生かす研究も企業間で高まっている。現在可視光触媒を製造しているには、住友化学、トヨタ中央研究所、エコデバイス、住友金属工業の4社だが、これに材料の酸化チタンメーカーや、壁紙、カーテン、テント、ブラインドなどの内装関連企業が加わり、研究はさらに活発化しそうだ。「光触媒を住宅部材にという試みは世界でも初めて。“日本発”技術として海外にも広げてほしい」と経産省ではいっている。