2003年03月10日
エチレンのアジア相場が久々に軟化
誘導品とのスプレッドの縮小の反動か
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 棒上げ状態が続いていたアジア地域におけるエチレンのスポット相場が久々に先週末に小反落した。
 
 エチレンセンター筋によると、台湾向けを中心としたアジア地域のスポットもののCFR価格の平均はトン当り660ドルとなった。一週間前に比べると20ドル方の下降である。エチレンのアジア地域におけるスポット相場は、昨年11月初旬に小反発して同380ドルとなっていらい、一貫して上昇を続けてきた。これは、原油の国際スポット相場の高騰に伴うナフサ相場の急騰によるもので、2月第2週に600ドルの大台に乗って以降もなお強含みで推移していた。
 
 それがここにきて小幅ながら反落したことについて、エチレンセンターの多くは、これまでの長期にわたるエチレン相場の上昇に誘導品の価格がついていけなくなってきたことが大きな要因と分析している。特に深刻な状態にあるのはL-LDPEを中心としたポリエチレンメーカーで、直近のエチレン価格とポリエチレン価格とのスプレッドが100ドルを割り込む事態となっているため、多くのPEメーカーが採算を確保できなくなっているもよう。
 このため、PEメーカー、特にL-LDPEメーカーの中にはやむなく減産に踏み切る意向を示すところも出てきており、これがアジア地域のオレフィンのトレーダーの心理を少なからず刺激しているようだ。
 先行きはまだ不透明だが、ポリエチレンの相場が底上げされない限りしばらくは弱含みで推移することになるのではないかと予想する向きがセンター筋や商社筋には多い。