2003年03月13日
韓国・現代石化、LGと湖南石化連合の買収決る
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:新日本石油、新日本石油化学、住友商事、三井化学、三井物産、公正取引委員会

 韓国の現代石化債権団はこのほど、LG化学と湖南石化の連合を現代石化の売却先に決定した。1月30日にソウルで契約を締結し、債権者集会がこれを承認した。LG化学と湖南石化は今後、公正取引委員会の承認を得て5月に支払いを行う。

 現代石化は現代グループの負債増大の結果、2001年にグループから分離され、銀行を中心とした債権団の管理下に置かれ、債権団が韓国内外の多数の相手と売却交渉を行ってきた。最終的にLG化学・湖南石化連合が米国のKoch Industries Inc.に競り勝った。

 LGによると、売却価格は1兆7,400億ウォン(約1,643億円)。うち6,000億ウオンは両社が折半で出資する形をとり、8,000億ウオンは融資、残り3,400億ウォンは5年後に支払うという条件。

 現代石化は1988年に現代グループが設立し、韓国西海岸の大山に石化コンビナートを建設した。現在の能力はエチレン2系列で105万トン、LDPE27万5,000トン、LLDPE24万トン、HDPE14万トン、EG37万5,000トン、PP50万トン、SM39万トンなど。

 LG化学は麗川にエチレン75万トンのコンビナート、湖南石化も同じく麗川にエチレン70万トンのコンビナートを運営している。湖南石化はロッテグループ系列で、第一化学(三井化学・三井物産・新日本石油化学の共同投資会社)が10%出資している。 なお、LG石化は2000年11月に現代石化から大山のVCM、PVC各20万トンプラントを買収している。

 LG化学は買収目的を次のように説明している。
〓中国のPVC、ABS事業拡大で不足するエチレン、SM、ブタジェン等の確保
〓シェア拡大とナフサ購買力の強化
〓最適のタイミング(LGでは世界の石化は2003年から好転するとみている)

 現代石化は1998年夏に韓国・全国経済人連合会が主管して進めた五大財閥の構造調整案(いわゆるビッグディール)に基づき大山地区で隣接する三星総合化学との統合計画を進め、一時は三井物産、住友商事を含めた4社で基本合意書を締結したが、出資額で調整がつかず、まとまらなかった。

 三星総合化学は昨年12月、仏石油大手トタルフィナ・エルフの化学部門であるアトフィナ社から資本を受け入れる覚書を締結した。2003年3月までに両社の折半出資で新会社を設立し、三星総合化学の設備を新会社に移管する計画。同社の能力はエチレン60万トン、PE40万トン、PP22万トン、SM67万トンほかとなっている。