2003年03月13日
ANの昨年の需要量、世界全体では前年の4.3%増
うちアジアは8.8%増の251万トン
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:旭化成

 アクリロニトリル(AN)のトップメーカーである旭化成によると、ANの昨年の世界全体における総消費量(総需要量)はおよそ494トンとなったもよう。
 01年の実績は474万トンであったと見られているので、昨年の伸び率は4.2%ということになる。01年は北米や日本の需要が大きく落ち込んだので世界全体の消費量も前年を2.3%下回ったが、昨年は世界最大の消費国の中国の需要が大幅な伸びを遂げたため再びプラス成長に転じた。
 
 中国の需要量は76万トン強で、前年を16%強上回ったと見られている。北米は72万トンでごくわずかながら前年を上回り、また、アフリカ・中東は28万トンで9.5%増になったと想定されている。しかし西欧は106万トンで3%弱の減少となり、日本は64万トンでこれも3%のマイナス成長となった。
 
 中国と日本を含むアジア全体の需要量は251万トンになったと見られている。世界全体のおよそ51%を占めた計算になる。前年を9%弱上回ったというのが同社の見方である。
 
 これに対する世界全体の昨年の供給量は、需要とは逆に前年を下回って約470万トンにとどまったと見られている。これは、米・スターリングが年産36万トン装置の運転を休止したほか、メキシコ・ペメックスや伊・エニケムの部分休止、さらには大型定修の集中などで前年に対する減産規模が年間120万トンにも達したことによるもの。このため昨年は、ANメーカーもユーザーも在庫の食いつぶしによって急場を凌ぐ1年となった。