2003年03月13日
水素需要見通し、2020年300億N立方メートル
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:NEDO

 燃料電池など、水素エネルギーの利用研究が活発になってきたが、財団法人・エネルギー総合工学研究所の福田健三氏らは「水素エネルギー導入普及のための課題」をまとめ、12日に開かれたNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の成果報告会で発表した。
 
 この中で「水素エネルギー導入のビジョン」として、以下の3点を強調した。
(1)環境保全とエネルギーセキュリティ確保の上で、再生可能な水素エネルギーの供給・利用システムは、長期的に見て有力なオプションの一つとなる。
(2)気候変動とエネルギーセキュリティに対する関心は今後さらに高まり、水素エネルギーシステム実現のための基盤整備に対するインセンティブが強まる。
(3)今後20〜30年は化石燃料起源水素が中心になると考えられるが、化石燃料コストの上昇や、温室効果ガス排出削減の問題から、再生可能エネルギー起源水素の重要性は増大する。

 福田氏らの試算によると、わが国の水素需要は2010年に64億N立方メートル/年、燃料電池の導入が進む2020年には、約300億N立方メートル/年に増大し、国内最終エネルギー消費量の約2.5%を占める見通し。「今後は化学、エネルギー、経済学など各分野の関係者の参加により、水素の有用性や製造・貯蔵・利用技術などの研究をさらに詰めていく必要がある」と語った。