2003年03月13日
フェノールのアジア価格、トン当り800〜850ドルに上昇
需給のひっ迫で三井化学などのオファーが浸透
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:三井化学

 中国を中心としたアジア市場におけるフェノールのスポット相場が2月から3月にかけて順次上昇、直近のCFR価格は、超大口ユーザー向けがトン当り800ドル、中口取引分が850ドルとなっている。
 
 今年1月の価格に比べると70〜80ドルのアップとなる。最大のサプライヤーである三井化学をはじめとしたアジア地域のフェノールメーカー各社が、原料ベンゼンとプロピレンの価格の大幅な上昇に対処して中国など各国の需要家に価格修正の受け入れを強く迫ってきたことによるもの。
 
 フェノールのアジア地域における需要は中国の旧正月休み明けも引き続き活発であり、対する同地域の供給力は以前と全く変っておらず、このため需給バランスは一段とタイトになっている。長期間にわたって操業を停止していた米・イネオスが1月から年産40万t能力のフェノールプラントの稼働を再開したものの、アジア地域にはまだ製品が流入してきていない。流入が再開するとしても5月以降となり、しかも数量は少量にとどまるとの見方がフェノールメーカーや商社筋には多い。