2003年03月17日
触媒シンポ、新たな研究成果の発表相次ぐ
新しい構造のCOCや極性モノマー共重合技術の開発も
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:旭化成、住友化学、デュポン、三井化学

 三井化学による「触媒科学国際シンポジウム」では、野依教授の基調講演につづいてW カミレスキー教授やS.ブルックハート教授ら触媒研究の世界的権威が次々と登壇し、最近の研究成果を発表、充実した内容のシンポジウムとなった。
  
 招待講演のトップをきったのはカミレスキー教授で、同教授は「メタロセン及び後周期遷移金属触媒によるエチレン/シクロオレフィン共重合技術」の開発について現状を紹介した。
 
 この日、同教授はメタロセン触媒を用いて従来にない構造のシクロオレフィン共重合体(COC)の創出に成功。また、パラジウムイミン触媒によるエチレン/ノルボネンの共重合評価も実施して、これまでの技術の改良のポイントもつきとめたと報告した。
 
 これに続いて、白井博史・旭化成化成品樹脂開発研究所主幹研究員が「ハーフサンドイッチ型メタロセン触媒を用いたエチレン共重合」の研究成果を発表した。
 白井博士の研究内容はハーフサンドイッチ型メタロセンと呼ばれる触媒系を用いてエチル系共重合研究を続けた結果、硫黄を配位点とするジチオカルバメート型配位子や、酸素を配位点とするフェノキシ型配位子を有するハーフサンドイッチ型ジルコニウム、またはチタン錯体が非常に高いエチレン/ノルボネン共重合活性を示すことを見い出した、というものだった。

 このほか、ブルックハート教授が「後周期遷移金属を用いるオレフィン重合」、また、T.M、コネリー・デュポン副社長が「バーシポール重合技術における最近の進歩」、宮竹達也・住友化学石油化学品研究所リサーチフェローが「フェノキシチタン系オレフィン重合触媒の研究」をテーマに講演。さらにK.マティヤシェフスキー・カーネギーメロン大、T.J.マークス・ノースウエスタン大学両教授が、それぞれ最新の研究成果を発表した。2日目の18日は、J-M.レーン・ルイ パスツール大学教授ら4氏が講演する。