2003年03月18日
「脳と健康の化学」を公開講座
3月21日早大で 日本化学会
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本化学会

 日本化学会は創立125周年記念春季年会の付設として3月21日(金)、早大西早稲田キャンパス(新宿区西早稲田1-6-1)で「脳と健康の化学」と題する市民公開講座を開く。14号館101教室。午前9時55分から午後4時45分まで、以下7人が講演する。無料。先着300人まで。各45分。問い合わせはTEL 03-3292-6163。
 
 午前中は脳の老化とアルツハイマー病や、香りや食物などが脳に与える影響と健康の維持に対する役割。午後はナノテクノロジーや分子生物学の新しい技術が健康や医療の場でどのように活用されているかを人体調和型材料や血液サラサラモニタ、腸内細菌、マイナスイオンなどについて語る。
 
(1)脳の老化とアルツハイマー病発症について(理研脳科学総合研究センターチームリーダー高島明彦氏)マウスを用いた最近の研究成果として解説する。

(2)コスメティックと健康(資生堂メイキャップ製品開発センター長 福井寛氏)高齢者が化粧することによって自立したり、肌荒れの回復を促進するといったトピックスを語る。

(3)水産食品と予防医学(東京水産大学大学院水産学研究科教授 矢沢一良氏)水産食品によって身体・脳・心の健康を維持する具体的な方法とその科学的根拠、安全性、作用メカニズムを解説。

(4)ナノテクノロジーによるヒューマン・ボディ・ビル(阪大産業科学研ナノテクノロジーセンター長 川合知二氏)ボトムアップのナノテクノロジーによる人体調和型材料、部品、素子、システムの創成の現状と将来を展望する。

(5)血液の流れと健康(食品総合研究所マイクロチャンネルアレー工学チーム長 菊池佑ニ氏)リソグラフィーの技術を用いてシリコン単結晶基板に毛細血管モデルを加工し、血液の流れを直接モニタで観測できる装置、血液サラサラモニタが発明された。この装置で明らかになった事実から健康について考える。

(6)大腸は健康の発信源—見えてきた!大腸内細菌叢の全貌(理研微生物機能分析室 辨野義巳氏)大腸内には便1グラム当たり1兆個、種類にして500種以上もの細菌が住みついているが、分子生物学的で細菌の全貌が見えるようになった。

(7)空気のマイナスイオンの生体に及ぼす影響—研究の歴史と展望(都立大学院理学研究科身体適用科学講座助教授 琉子友男氏)マイナスイオンの生体に及ぼす影響については未解決な部分も多い。とくに作用機序は混沌としている。現在の考え方と過去に発表された仮説について言及。