2003年03月18日
PSの2月の出荷数量、前年比9%増と好調を持続
内需は19%増で8ヵ月連続の前年同月超え
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が18日に明らかにしたところによると、ポリスチレン(PS)の2月の出荷数量は8万7,953トンとなった。前年同月の実績を9%上回っている。
 
 うち国内向け(内需)は8万329トン。前年同月比は19%増である。最近の汎用樹脂の中では例を見ない高い伸び率だ。2月の内需が8万トンを上回ったのはこの5年で初めてのこと。この結果、PSの内需は8ヵ月連続の前年同月超えとなった。
 
 PSメーカーの多くは、2月の内需が大きな伸びを記録した要因として2点を挙げている。ひとつは需要の拡大であり、もうひとつは原料ベンゼンとスチレンモノマーの高騰に伴うPSの先高観の広がりである。
 
 昨年11月以来、4ヵ月連続で全ての需要分野で前年同月の出荷量を上回っている。最も伸び率の高いのは雑貨産業用の35%増で、以下、FS用が23%増、包装用16%増、電機・工業用が15%増となっている。電機・工業用は5ヵ月連続の前年超えである。
 
 一方の輸出は1万トンの大台を大きく割り込んで7,624トンとなった。前年同月比は43%減である。アジア地域全体の需要は引き続き活発であったが、PSメーカーの多くが原料不足の影響で輸出に必要な増産体制を取れなかったのが大幅減の要因とみられる。
 
 2月の生産量は前年同月の横並びの8万1,698トンであった。出荷を大きく下回っており、このため月末在庫は前年同月を28%下回る8万4,351トンとなった。過去10年を見ると、定修を控えたこの時期の在庫量は多い年で16万トン、少ない年で11万トンとなっている。今年は異例の低水準である。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/03318006.tif