2003年03月24日 |
ダウ・ケミのフェノール装置が24日から運休へ |
フェノールの需給、特にアジアで一段と逼迫の見通し |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:三井化学、三菱化学 |
ダウ・ケミカルのテキサスシティ工場内のフェノールプラントが現地時間の24日早朝から定修のため運休した。 運休プラントの設備能力は年産27万t。運休期間は最も短いケースで2週間、長いケースで3週間となる見込み。 現在のフェノールの需給バランスは、ビスフェノールAの需要の拡大によって世界全体でタイト化が進んでいる。最大のフェノールメーカーである米・イネオス・フェノールがクリベージユニットの火災事故のため昨年9月から今年1月までの間、年産40万tプラントの操業を停止したことも大きく影響している。イネオスは1月末から操業を再開しているが、原料プロピレンが十分に確保できないため、いまだに目標通りの稼動率を上げられないできている。 このため、かねてから年間12〜13万tのフェノールをイネオスから輸入してきたアジア地域の多くの需要家は特に深刻な品不足に悩まされている。しかも、イネオスが早急に従来通りの高稼働を再現できても、アジア地域に製品が届くまでにはなお1〜2ヶ月かかると見られている。 それだけに今回のダウの定修・運休は、世界の中でも特にアジア地域の需給逼迫を一段と加速させることになると予想されている。なお、4月中旬から6月末にかけては三井化学と三菱化学が相次いで定修を実施する予定にある。 |