2003年03月26日
ハイシート工業の新機能パッキング材、需要伸びる
医薬、食品、IT等の企業で採用相次ぐ
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学の全額出資のよる高機能樹脂シートメーカー「ハイシート工業」が新たに開発した新機能パッキング材「ハイシート・ドライ・INP」が加工食品、健康食品、医薬品、工業薬品、生活用品など様々な分野の需要家と消費者の間で人気を呼び、受注が急拡大している。
 
 「ハイシート・ドライ・INP」は、シート状の乾燥剤(ハイシート・ドライ)と低発泡ポリエチレン製高機能パッキング材(ハイシート・パッキング)とをアルミフィルムと熱接着して一体化したもの。
 
 別個の存在であった“乾燥剤”と“パッキン”を一つにして、湿気が禁物の健康食品や医薬などの密閉保存と乾燥の両方の役割を同時に果たせるようにした点が大きなポイント。
 
 食品や医薬品、生活用品などの中には、容器の中に完全に密閉され、乾燥が保持されることが不可欠な商品が少なくない。こうした機能を同時に発揮する材料はこれまでになく、このため、これらの製品メーカーは十分な密封故造の蓋をもつ容器と乾燥剤の両方を確保していく必要があった。
 
 「ハイシート・ドライ・INP」は、これを容器の蓋の内側に装填するだけで密封と乾燥を同時に実現できる。ユーザーはこれまでのように乾燥剤を容器に投入する手間を省略でき、乾燥剤の脱落、破損、破袋、飛散のトラブルも防げる。容器内の余計なスペースが不要となる利点もある。耐薬品性や耐油性に優れ、衛生安全性が十分に確保されていることも大きな強みという。
 
 こうした点が様々な分野の需要家と消費者に評価され、普及のピッチが上がってきている。DHC社や大塚製薬などが健康食品の容器等に積極的に採用しているほか、ミツミ電機やソレクトロンなどがIT用に使用しはじめている。化粧品、加工食品、医薬品、トイレタリー・バス関連用品などの有力企業からも引き合いと注文が急増しているとのこと。プラスチック加工製品市場に新しい領域をきりひらくものとして注目される。