2003年03月26日 |
エネ庁の田辺課長会見「石油情勢、大きな変化ない」 |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:資源エネルギー庁 |
資源エネルギー庁の田辺靖雄国際課長は26日、イラクをめぐる石油情勢について、マスコミへのブリーフィングを行った。この中で「イラクの原油生産が停まっても、OPECは増産で対応するといっている。イラク南部で起きた油井火災の影響も、米国では極めて小さいと見ているようだ」など、およそ次の通り語った。 (1)OPECは、緊急時には増産で対応し、世界市場に石油を安定供給すると表明している。平沼経産大臣は18日アッティーヤOPEC議長、ナイミ・サウジアラビア石油鉱物資源大臣と個別に電話会談した。両氏とも石油の安定供給を保証する旨を表明した。 (2)シルバOPEC事務局長も29日の記者会見で、「OPEC全体の生産余力は300万から400万バレル/日(BD)と考える」、原油価格の下落について「下落が意味することは、市場に十分な原油が行き渡っており、供給不足が生じていないということだ」と述べた。 (3)ベネズエラの生産については、米国エネルギー省が21日「少なくとも240万BDに回復したとの分析を行った。ゼネスト前の昨年11月は226万BD、ゼネスト中の1月は57万BD、2月は140万BDの水準だった。 (4)イラクの生産は約250万BDで世界の3%、輸出は約140万〜170万BD。日本への輸出は1.3万BD(2002年)で、日本の全輸入量の0.3%となっている。 (5)21日の米国エネルギー省の分析によれば、イラク南部の油井の火災による生産への影響は極めて小さい。理由は当該油井の生産量が南部で最小なためだという。またた24日の報道では、イラク北部キルクーク油田からのトルコへの石油パイプライン輸送は、20万〜30万BD規模で継続しているという。軍事行動開始前は80万〜90万BDだった。 (6)ナイジェリアの民族紛争激化により、米シェブロン・テキサコが生産停止を発表した。トータル社等も生産を縮小、現在80万BD程度まで減少しているようだ。一時的と見る専門家もいるようだが、十分にウオッチしていく必要がある。 |