2001年12月20日 |
経産省、来年上期の石化品の需要見通しまとむ |
エチレンの必要量は前年比5.8%減の340万トン |
【カテゴリー】:行政/団体 【関連企業・団体】:経済産業省 |
経済産業省製造産業局は20日、石油化学製品の平成13年下期の需要実績見込みと14年上期の需要見通しをまとめた。 この中でエチレンについては、今年下期の必要量が内需307万トン(前年同期比96.2%)、輸出入バランス(エチレンとエチレン系誘導品ならびに製品輸入の合計のバランス、以下同)の出超量60万6,000トン(同84.6%)の合計367万トン(同94.1%)になると想定、そして在庫調整を9,000トンと見て、差し引きの総生産量が366万トン(同94.7%)になるとの見方をまとめている。 同局では、内需のマイナスには、国内の需要全体の落ち込みに加えて主要需要先の電機業界や加工業界による製造拠点の海外移転の進行も少なからず影響していると分析している。出超量の大幅減は、加工製品の輸入の増大と、海外の石化製品相場の急落による石化各社の輸出の抑制によるところが大きいと判断している。 この結果、今年のエチレンの総生産量は、内需612万トン(前年比97.7%)、出超116万8,000トン(同85.5%)の計728万トン(同95.5%)に在庫7万8,000トンを加えた合計736トン(同96.7%)になるとの結論をまとめている。昨年の1%減に続く2年連続のマイナス成長が必至との想定である。 一方、来年上期については、内需が294万トン(前年同期比96.4%)、出超が46万1,000トン(同82.0%)の合計340万トン(同94.2%)になると予想している。これは、一般景気の回復が見込み薄なため内需がさらに縮小するのに加え、輸出入バランスの出超量が、誘導品の輸出のもう一段の後退と輸入の増加で今年以上に減少すると見ているもの。 同局では、ポリオレフィン3樹脂についても同様に厳しい見方を取っている。今年下期は3樹脂全ての内需と輸出入バランスが悪化し、また、来年上期も両ポリエチレンはさらに内外ともに需要の減少が避けられないと予想している。PPだけは来年上期の内需が今年上期と同じレベルを維持するとの想定になっている。しかし、輸出入バランスは悪化が必至なので、トータルの出荷はPE同様に縮小するとの結論になっている。 来年上期がこうした予想通りに推移すると、大幅な設備過剰となる。ただし、来年上期には合計6センターが定修によってエチレンプラントを運休する予定なので、実際のバランスはほぼ均衡すると見られる。 |