2003年04月01日
中国の需要家筋、当面の樹脂の買い付けに慎重
イラク情勢と国際相場の行方を見守る構え
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:大洋塩ビ

 大洋塩ビや大手商社によると、ここにきて中国の塩ビ加工メーカーや輸入商社の間に同樹脂の当面の買い付けに極めて慎重な取り組みを示すところが増えてきている。通常は、毎月20日過ぎには翌月の引き取り分の数量と価格を決めるのがパターンだが、4月分についてはまだ、具体的な話し合いが進んでいないという。

 日本側には、3月分よりCFRトン当たり30ドル高い740をオファーするところが多いが、中国側からは明確な回答が示されていない。VCMについても同様に反応が極めて鈍い。VCMメーカーの中には3月分と同じ590ドルを提示するところが多いが、商談はほとんど進展していない。

 こうした現象は他の汎用樹脂でも見られ、全体が膠着状態に陥っている。これは、イラク紛争が長期化するとの観測が強まってきたのに伴い、原油やナフサの価格、さらには樹脂を始めとした石油化学製品全体の国際相場の行方が再び不透明となってきたことによるものと見られる。

 このため、PVCメーカーをはじめ日本の樹脂メーカーも、成約を急ぐと自ら墓穴を掘ることになると判断し、腰を据えてかかる構えに転じている。