2003年04月03日
アジア地域のエチレンのオファー価格が下降
急騰に対する中国や台湾のユーザーの反発が影響
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 大手商社ならびにエチレンセンターによると、アジア地域におけるエチレンのスポット相場が急速に下降し始めた。先週末における台湾や中国の着値(CFR価格)は高値でもトン当たり500ドルの大台を割り込んで490ドル前後となっており、最も安いオファーの中には450ドルも散見される。
 
同地域におけるエチレンのスポット相場の直近のピークは、2月末から3月初旬にかけての660〜680ドルであった。それが、その後週を追って下降を続け、1ヶ月で都合170ドル前後もの下落となっているわけ。
 多くの商社やエチレンセンターでは、台湾や中国の石油化学誘導品メーカーが今年1月以降の急騰に強く反発してエチレンの購入を手控える行動に出始めたのが最大の要因と分析している。また、ナフサのスポット相場が下降しはじめたことや、プロピレンの増産に走ってきた韓国の石油化学企業の多くが余剰となったエチレンを海外に一気に投げ出し始めたことも少なからず作用していると見ている。
 ただし、最近は韓国の石化企業の中にエチレンやポリエチレンの減産を志向する動きも出てきているので、今後の下げ幅は極めて小幅なものになると予想する向きが多い。