2003年04月04日
BPAの需給バランス、なお逼迫状態が続く公算
4月からの相次ぐ定修も大きく影響の見込み
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:三井化学、三菱化学

 ビスフェノールA(BPA)の需給バランスは、アジア地域全体で当分の間極端な逼迫状態が続くことが確実となってきた。これは、需要がポリカーボネート向けを中心に引き続き活発なことに加え、BPAメーカーの定修の集中によって向こう数ヶ月の供給能力が大幅に縮小する見通しにあるためだ。

 三井化学などBPAメーカーによると、BPAの需要は特にアジア地域で引き続き活発に推移しており、今年に入っても前年を15〜16%上回る伸びが続いている。

 これに対して現在は、BPA各社がフル稼働することでかろうじて需要に対応できているが、4月以降しばらくは定期修理が相次いで実施されるため深刻な品不足状態に陥る公算が濃厚となっている。

 春に定修を予定しているのは、出光石油化学(年産7万6,000t能力=4月実施)、三井化学(同5万t装置=5月実施。同6万t設備=7月実施)、三菱化学(10万tプラント=5〜6月に実施)、新日鉄化学(10万t装置=7月実施)--の各社。韓国の錦湖が3万5,000t装置の定修を6日に完了するが、その直後からは代わって日本各社による運休が相次ぐわけで、メーカーもユーザーも当分の間玉のやりくりに頭をいためることになりそう。