2001年12月19日 |
藤沢薬品、ジョーメド社に免疫抑制剤「タクロリムス」塗布ステントをライセンス |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:藤沢薬品 |
ヨーロッパに本部をもつ大手医療機器メーカーの ジョーメド社(オランダ)と藤沢薬品工業の両社は19日、藤沢薬品の免疫抑制剤「タクロリムス」(一般名)を塗布した冠動脈ステント(メッシュ状金属筒など)を、ジョーメド社が再狭窄予防用途で全世界的に開発、生産並びに販売することで合意したと発表した。 現在、冠動脈閉塞や不安定狭心症治療では、患者負担低減のため人工心肺装置や心停止措置を行わない低侵襲性治療が広く行われている。。血管内経路の確保のために行うバルーン法による血管拡張やステント留置もその一つだが、治療後半年以内に20%から40%の患者に再狭窄が見られ、治療上大きな問題となっている。この再狭窄を防ぐために、免疫抑制剤や抗癌剤などの薬剤を塗布したステントが、現在欧米で開発段階にある。 薬剤塗布ステントは現時点ではまだ発売されていないが、2005 年頃には全世界で約4,000億円規模の市場になると予測されている。 藤沢薬品は、「タクロリムス」を移植領域で免疫抑制剤「プログラフ」として、また、皮膚科領域ではアトピー性皮膚炎治療剤「プロトピック」としてそれぞれ発売しているが、同剤をステントに塗布することにより、冠動脈の再狭窄が低減されることが想定されている。 今回ののライセンス契約締結により、ジョーメド社は、2001 年12 月末から、「タクロリムス」塗布ステントの臨床試験を欧州で開始し、2003 年ごろ欧州で上市する予定という。 |