2003年04月07日
昭和電工、インドネシアの酢エチの出荷調整を開始
南ア等からの製品流入に対処、市況の適正化へ
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和電工

 酢酸エチルのトップメーカーの昭和電工は、インドネシアの子会社「昭和エステリンド」の酢酸エチル工場の操業短縮と出荷調整に乗り出した。年産5万t能力の設備の稼動率を当分の間80〜85%に抑えていく。

 今回の措置は、3月になって南アフリカやブラジルから余剰の酢酸エチルが東南アジアに流入し始めたことで同地域の需給バランスに若干の緩みが生じ、市況が軟化してきたことに対するもの。

 同社はかねてから、インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポールといった東南アジア地域の需要に対しては主として昭和エステリンドの製品を振り向けてきている。同地域の需給は3月まではタイトバランスであり、市況も概ね同社の希望に近いCFRトン当たり800ドル前後となっていた。それが突然の域外からの製品流入(合計約1,000t)によって平均市況が4月入りとともに750ドルまで低下している。
 
 このため同社では急遽、原産と出荷調整によって需給の均衡と市況の回復を図っていくことにしたもの。同社では、これによって5月上旬には元の需給バランスと適正なレベルの市況に戻ると判断している。