2003年04月08日
酢酸と酢ビの価格も内外で修正進む
需給の均衡がメーカーに追い風
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:昭和電工

 酢酸エチルに加え、酢酸と酢酸ビニルの価格も国の内外で着実に修正が進んできた。いずれの場合も、原料の高騰分を製品価格に転嫁すべく日米欧のアセチルメーカー各社が昨年末以降各地で進めてきた値上げ交渉がユーザー筋に受け入れられるようになってきたもの。需給バランスが引き続き均衡していることがメーカー各社に追い風となっている。
 
 酢酸の場合は、今年第1・四半期分のアジア価格がCFRトン当たり30ドル引き上げられて630ドル前後のレベルに底上げされつつある。しかしセラニーズやBPケミカルなど欧米大手は、これでもなお最近の原料の高騰分をカバーできないとして第2・四半期分をさらに引き上げる構えにある。同105〜120ドルの幅の再修正を打ち出すところが多い。わが国の酢酸メーカーも同100ドルの再値上げを計画している。
 日本国内の価格は、小口分がキログラム当たり15円底上げされそう。大口は従来のパターン通り、海外相場の動きにスライドするかたちで改善されていく見通し。
 
一方の酢酸ビニルについては、セラニーズやダウケミカルなどがアジア相場を4月中に同150ドル上げて1,000ドルの大台に乗せようとしている。昭和電工など国内の酢ビメーカーも内外の再修正を計画している。輸出価格は同じく同150ドルの再値上げを目指す構え。ただし、需要家の厳しい立場を考慮して4月以降2度に分けて実施したい意向。他方、国内価格は3月以降にキログラム10円の引き上げが実現しつつある。