2003年04月09日
中外製薬・永山社長会見「ロシュと統合の成果大きい」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:中外製薬

 中外製薬の永山治社長は9日記者会見し、スイス・ロシュとの統合後6ヵ月の事業活動状況や、今後の経営課題などを明らかにした。この中で「統合によるシナジー効果は十分にあがっている。国内売上高4位の製薬会社となったが、これからも事業体制の整備、強化を急ぎ、1株当たりの営業利益83円の当初目標を実現したい」と語った。
 
 同社長はまず、ロシュと統合した昨年10月以来取り組んできた、工場・研究所の再編について、「高岡、松永両工場と、高田研究所を閉鎖、売却した。工場は7から5に、研究所は6から5に減った。年間25億円の固定費圧縮を図ることが出来る」と、合理化効果を強調した。
 
 今後は、研究効率を高め、今年中に上市見込みのある新薬4品目を含めて、開発中の有望な新薬が約30品目もありパイプラインを形成していることなどから、業績見通しは明るいとし、2002年度見通しである売上高2350億円、営業利益250億円、経常利益255億円の達成に自信を示した。
 
 今後の展開については、短期的には、国内で高い市場シェアをもっている5領域(がん、腎、骨・関節、循環器、移植・免疫・感染症)を成長の柱とし、中期的には開発パイプラインの推進、また長期的には抗体医薬品やロシュ・グループとの連携による世界規模の化合物バンク保有などを目指す。「統合のシナジー効果を生かし、国内売上高4位、シェア4.0%、病院市場2位、開業医市場4位の地位は今後とも維持していきたい」と強調した。