2003年04月14日
使用済みPETボトルのフレーク、初の値上げが進行
まずはキロ5円上がって60円体系が確立
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 使用済みPETボトルによるフレークのシート向け品種の価格がここにきて各地で急上昇し始めた。従来はキログラム当たり55円前後であったが、最近は軒並み同60円前後に引き上げられている。PETボトルのリサイクル製品の値上がりはわが国ではこれが初めて。世界でも極めてまれなケースといえる。

 現在使用済みPETボトルは、容器包装リサイクル法に沿って全国の自治体が家庭等から分別収集して自ら再商品化(リサイクル)するか、あるいは国の指定法人である容器包装リサイクル協会に引き渡して再商品化を促すかしているところ。分別品の多くが同協会で引き取られており、平成13度(13年4月〜14年3月)の同協会の引取り数量は13万1,027tで、前年度の実績を35.6%上回った。今年度の引取り量は、2月までの累計が14万,552tで、前年同期を17.9%上回っている。
 そのうちの10万4,197t(前年同期比19.3%増)が再商品化されており、うち40.5%に相当する4万2,245tがフレークの工程を経てシートに加工されている。前年同期に対する伸び率は22.9%という高率である。
 
 シート向けがこのような高成長を遂げているのは、品質の面でも経済性の面でも同シートに対する評価が急上昇して鶏卵パック用やブリスターパック用などに需要が大幅に伸びてきているため。現在はどのシート加工各社も原料のフレークの品不足状態に陥っており、
ここにきての同フレークの価格是正は、こうした需給逼迫を背景にフレーク各社が打ち出した値上げ要求をシート各社が相次いで受け入れ始めたことによる。今後もさらに上昇傾向をたどると見られている。