2003年04月15日
スチレン工業会、アジアのSMの中期需給展望まとむ
需要は年4〜5%増、06年まで供給力不足が続くと予想
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会は15日、SM(スチレンモノマー)のアジア地域における中期需給展望を明らかにした。それによると、需要は中国を中心に着実な伸びを遂げ、一方の供給能力は微増にとどまり、その結果06年までは毎年供給力不足が続くとの予想となっている。

 需要については、電機、事務機器、自動車などの最終製品需要の拡大によって06年まで年4~5%の伸びを続けると予想している。06年におけるアジア地域の総需要量は1,222万6,000tになると見ている。ちなみに02年の実績は前年比7%増の1,031万5,000tであった。従来もまたこれからも中国の需要の伸びが特に高く、06年までの伸び率は年12%に達すると判断している。06年における中国の需要量は472万7,000tになるとの見方である。

 日本と韓国の場合は、ともに輸出が若干増えるものの誘導品業界の海外移転もあって内需が横ばいもしくは微減となりトータルではわずかながらマイナス成長になると予想している。

 一方の供給能力については、02年で922万1,000tであったアジア全体の能力が06年までに1,109万6,000tに拡大するにすぎないと見ている。このため、03年は112万5,000t、04年は113万4,000t、05年は160万9,000t。06年は113万tそれぞれ供給力が不足し、欧州や米国からの輸入に引き続き多くを依存していくことになると判断している。これは中国の輸入依存度が高いためで、中国の03年以降の輸入量は年200万tを超えると想定されている。

 ただし、06年以降は中国や中東で大型SMプラントが相次いで稼動するので、アジア全体の需給の逼迫度合いは緩和の方向に向かうと同工業会では予想している。

 一方の供給能力は06年まで微増にとどまると見ており、このため向こう4年間はアジア地域だけでは需要をまかなえず米国や欧州からの輸入に毎年100万t以上を依存していくことになると予想している。
 
ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/03415006.tif