2003年04月21日 |
アジアのSMの需給、定修の集中で急速に回復の見込み |
最大の輸出国の韓国で4社が一斉に春の定修入り |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品 【関連企業・団体】:BASF、三菱化学 |
スチレンモノマー(SM)業界筋の調べによると、アジア地域におけるSMメーカーの間で春の定期修理(定修)が一斉にスタートした。特に注目されるのは、最大の輸出国である韓国で4月末までの間に合計6基のプラントが定修のため運休する点だ。また、5月にも他の地域でいくつかのプラントが定修を実施する予定にあり、このためアジア地域におけるSMの当面の需給バランスは再びタイト化する公算が強い。 現在、SMプラントを運休して定修を実施しているところは、日本スチレンモノマー(年産23万2,000t能力)、韓国・東部石油化学(同21万t)、同・三星綜合化学(同60万t)、同・BASF(同35万t)、同・YNCC(同14万t)、台湾・FCFC(同24万t)--の計6社・8プラント。多くが4月末まで運休となる。 これらに続いては、マレーシア・ISM(同20万t)、台湾・GPPC(同13万t)、三菱化学(同39万t)、インドネシア・SMI(同10万t)--の各プラントとサウジアラビア・サダフの同50万tプラントが4月の末から6月中旬間での間に順次、定修のため運休する予定にある。 アジア地域におけるSMの需給は、2月に入ってからの中国の買い控えと米国品の流入によって緩和され、これに歩調を合わせて市況が軟化を続けている。 しかし日本のSMメーカーや大手商社の多くは、中国の在庫が急速に縮小してきていると判断されること、米国品の流入がすでに止まっていること、さらにはアジア地域の春の定修が一斉にスタートしたこと-などの点から、4月末には需給が回復し、市況も上向いていくと予想している。 |