2003年04月21日
PPの自動車部品向け需要が引き続き高い伸び
HDPEのガソリンタンク用も驚異的な成長
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 ポリプロピレン(PP)と高密度ポリエチレン(HDPE)の両樹脂の自動車部品向け品種が依然として驚異的ともいえる高い伸びを続けている。

 PP業界筋の調べによると、自動車部品向けがほとんどを占めると見られる一般工業部品向け射出成形品種の今年1〜3月期の出荷数量は19万t強となった模様。前年同期の実績をおおむね10%上回ったというのが同樹脂メーカー各社に共通した見方である。昨年9月に前年同月を12%上回っていらいの高率成長がいまだに続いているわけ。自動車業界の生産活動の活発化とバンパーやインパネのPP化の一層の進展によるものと見られる。

 一方、HDPEの自動車部品向けの出荷は、いまはまだガソリンタンク向け中空成形品種にとどまっている。そのガソリンタンク向けの出荷の統計は存在していないので正確な数字は把握できない。しかし、同樹脂業界によると、最近おける大型中空成形用品種の需要の多くはガソリンタンク向けで占められている模様。出荷の絶対量はまだPPとは比較にならないほど少ない。1~3月期の総出荷数量は9,500tていどであったと想定されている。ただし、前年同期に対する伸び率は約31%に達していると見られている。この場合も昨年9月から伸び率が急拡大している。自動車メーカーが、車体の軽量化を主目的に相次いでニューモデルにプラスチック製ガソリンタンクを搭載し始めた時期とタイミングが一致している。

 両樹脂メーカーとも、両品種はこんごもなお高率成長を維持していくと判断している。特にガソリンタンクの場合は、本格採用が始まるのがこれからと見られている大きな期待を寄せている。