2003年04月22日
中国との塩ビの輸出交渉、5月分も難航
引き続き引き合いも注文も低調
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:なし

 中国との塩ビの輸出交渉が塩ビポリマー(PVC)も塩ビモノマー(VCM)も難航している。通常なら、20日を過ぎれば翌月分の輸出数量と価格が日中双方の話し合いによって確定されるが、5月分については交渉がほとんど進んでいない。

 これは、中国側が引き続き買い控えの姿勢を崩していないことによるもの。4月分も日本側各社のオファー価格を中国側が拒否して譲らず、このためPVCメーカーもVCMメーカーも大幅な譲歩を余儀なくされた。4月分のPVCのCFR価格はトン当たり650〜660ドル、またVCMは480〜490ドルで、3月に比べるとPVCは60ドル、VCMは100ドルの値下がりとなった。

 5月分については中国側がさらなる引き下げを要求しており、現状維持もしくは若干の底上げを狙う日本側各社との間の溝が埋まらないままきている。旧正月前に中国の需要家やトレーダーが買い溜めたPVCが在庫としてまだ相当量残っているのが大きく作用しているもよう。

 もっとも、塩ビメーカーや大手商社の多くは、中国国内の在庫はすでに相当縮小してきているので5月の連休明けには中国側が歩み寄りを見せてくる公算が濃厚と判断している。