2002年05月21日
晝間電気化学社長会見「グループ改革進み、いまや“利益体質”に」
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:デンカポリマー、電気化学工業

 電気化学工業の晝間敏男社長は20日記者会見し、3月期決算状況を説明した。この中で、懸案だったグループ会社の整理や、不採算事業の処理、有価証券評価損など、これまで業績の足を引っ張ってきた「特別損失」案件一掃にめどがついたと説明、来期以降の業績見通しが明るいこを強調した。
 
 同社の事業部門は石油化学、機能製品、セメント・建材、医薬その他の4部門からなっているが、石油化学部門はスチレンモノマー、汎用スチレン系製品が中心で「売上げ規模は大きいが、このままでは高い収益は難しい。国際競争力強化のためにも合理化の徹底と、他社との連携を視野に入れた展開を考えていく必要がある」と語った。
 
 期待が大きいのは機能製品と医薬品「スベニール」事業で、機能製品では昨年透明樹脂の増強を完了した。「クリアレン」も電子部品、包装材、PETボトル分野などに好調で、フル生産中。今秋には倍増する。特殊タイプのABS樹脂も海外に市場が広がってきた。OPSは増強後も高操業している。
 
 「スベニール」(関節機能改善剤)は2000年8月のスタートいらい順調に需要を拡大し、早くも利益が出ている。工場は昨年秋30%の増設を行ったが、フル生産が続いている。来年夏に向け倍増工事中だ。
 
 社内では4月から“革新22運動”をはじめた。経営基盤をより強固なものにするため、業務改革を行い、基本方針を明確化そる。全社員が意識改革していくのが狙いだ。これまで重荷になっていた関連会社や不採算事業を見直し、整理してきた。不良資産処分も終えた。決算の際の「特損」はもう出さなくてよくなる。
 
 東洋化学の100%子会社化、デンカ化工、デンカポリマーとの連携強化など経営基盤も強化された。今後は売上高営業利益率10%以上、ROA5%以上を目標にさらに改善していく。当面、来期は売上げは微増でも、営業利益195億円、純益70億円は確保できるだろう。今の気持は“特損よさようなら、利益よこんにちは”といったところだ。