2003年05月02日
カーナビの需要好調、2ケタ成長へ
有機ELディスプレイも登場の気配
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:パイオニア、富士通

 カーナビゲーションの国内市場が活況を示している。カーナビは10年前の1993年が16万台、ことしは260万台にのせると予想されている。昨年は239万台だったから対前年比8.8%の伸びが見込まれていることになるが、資料をまとめている調査会社によると2004年は285万台、2005年は320万台、伸び率で各9.6%、12%の増加を予想している。ハウジングなどに使われているプラスチックもこれに対応した伸びが期待される。
 
 カーナビ市場のシェア(2002年)はOEM分を除いて松下通信、パイオニア各13.8%、このあとにアイシンAW、ザナヴィ、アルパイン、クラリオン、富士通テン、デンソー、三菱電機などが続いている。2001年はパイオニア16.1%、松下通信12.8%だったので、松下通信がシェアを伸ばしたことになる。
 
 最近の傾向としては2001年にパイオニアがハードディスクのHDDナビを投入したことによって、上位機種のDVD、下位機種のCDの状況からHDDが上位に進出、CDが駆逐される場面がみられた。2002年のカーナビ市場は240万台近くになる見通しだが、このうち市販市場(メーカーの純正に対して)は100万台ていど。
 
 今後はレジャー情報や買物情報をリアルタイムで送受信できるテレマテックス端末の搭載、伸長が見込まれるという。これは自動車が「移動空間」から「情報ステーション」への乗り物に移行しつつあることを意味しているようである。
 
 世界的にみると欧州は2001年でドイツを中心に100万台ほど、米国はこれからで2005年に150万台ていどにふえると予想されている。ディスプレイでは使用電力が少ない有機ELが、液晶にかわる見通しが強まっているが、2005年ごろになるとの見方もある。