2003年05月02日
中国とのPEの5月の商談進展せず
価格は一段安となる公算濃厚
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 わが国の樹脂メーカーや大手商社が中国のトレーダーや需要家との間で進めようとしているポリエチレンの5月分の商談が一向に進展せず、関係者に不安が広がっている。
 
 中国がかねてから輸入しているポリエチレンのうち、多くを占めるのはL-LDPE。主なサプライヤーは、サウジアラビア、韓国、シンガポール、日本といったところ。今年2月まではコンスタントに引き合いと注文が増えていた。しかし3月に入って足取りがにわかに鈍り、その結果、4月の納入量は各国とも大幅に前年を下回ったという。わが国のL-LDPEメーカーの中には、受注量が例年の半分に落ち込んだというところもある。
 
 そして5月分についてはさらに事態が深刻で、通常なら4月の中旬から始まる商談はほとんど成立しないままきているという。
 わが国の商社やポリエチレンメーカー筋の多くは、中国の大型連休後に対しても期待は持てないとしている。引き合いがあっても、大幅に値下げを求めてくるので応じるわけにいかないというところが多い。最大の問題は、まだ中国国内にかなりの規模の在庫が残っていることとと、市場全体に先安観が依然として強いことだ。こうした中で注目されるのはコストの安い中東勢がどんな政策を展開してくるかである。