2003年05月06日
PETボトルリサイクルの最先発企業が事業打ち切り
リサイクルに必要な数量を確保できず
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:パイオニア

 PETボトルのリサイクル事業を、わが国で最初に本格的に立ち上げたとして知られる「ウィズペットリサイクル株式会社」は、このほど同事業に終止符を打ったもよう。
 
 関係する業界筋ならびに公的機関などの情報によると、同社は栃木県河内郡南河内町のリサイクル工場の操業を停止し、近隣自治体からの使用済みPETボトルの収集も打ち切っている。電話にも応答がない。

 同社が操業を開始したのは93年9月。リサイクル能力は年間8,000t。収集した使用済みPETボトルを独自の手法でフレークに加工して繊維用やシート用に販売してきた。PETボトルリサイクル事業のパイオニアであり、過去9年間大手7社の一角を占めてきた。
 
 そうした同社がここにきて行き詰まったのは、採算を確保するに必要な使用済みPETボトルを確保できなくなったからと見られている。最近はPETボトルのリサイクル事業分野にもニューカマーの参入が活発で、このため既存のリサイクル企業にも原料の使用済みボトル確保に苦労するところが増えてきている。ウィズペットもその一つで、昨年度の収集量は約3,000tにすぎず、また今年度も必要な量を確保できる見通しが得られなくなったといわれていた。