2003年05月09日 |
EU委員会、化学物質の新規規制案の内容を公表 |
経産省も内容を重視、15日には審議官がEUの局長と会談 |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:経済産業省 |
EU委員会は7日、同委員会が実施しようと考えている化学物質の安全衛生問題に係わる新規規制の内容を公表した。今回公表された規制案の内容は日本や米国など他の地域のものに比べて極めて厳しいものとなっており、ドイツやフランスなど域内の国のみならず日本や米国などの域外の国の産業界の間にも、整合性に富むものに修正するよう求める声が強い。 EU委員会では、向こう8週間の間に世界各国からパブリックコメントを募集したうえで最終決定する構え。経済産業省でも重大な関心を寄せており、15日に東京で開かれる日・EU産業政策・産業協力ダイアログの際に佐野・同省経済産業審議官がワイゼンベルグ・EU企業総局長と会談して意見を交わすことにしている。また、16日には同局長に加えわが国の化学業界と電子・電機業界の代表も招いて意見交換する予定。 今回の新規制案は、化学物質のリスク評価・管理の強化を目的としたもの。ポイントは(1)新規化学物質にとどまらずすでに市場に提供されている既存化学物質についても登録を義務づける(2)登録の際には有害性データや暴露データの提出を求めるだけでなく、既存化学物質についてこれまで政府が実施してきたリスク評価を産業界に義務づける(3)リスク評価義務の対象には化学物質の製造・輸入業者だけでなくユーザー業界も加える(4)発ガン物質など懸念される化学物質については個々の用途ごとに上市認可する(5)化学品を使用している製品についても、含まれる化学物質の開示を義務づけることを検討していくの5点。 こうした内容の規制案がそのまま施行されると、EU域内だけでなくEUと密接な関わりを持つ多くの国の化学業界や需要業界さらには貿易業界なども事業の縮小や撤退などを余儀なくされるケースが出てくるとみられている。 |