2003年05月12日
BP-Aメーカー4社が相次いで定修入り
アジアの需給バランス、引き続き均衡
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:三井化学、三菱化学

 わが国のビスフェノールA(BP-A)メーカーの間で例年の定期修理(定修)が相次いでスタートした。このため現在のアジア全域のBPAの需給バランスは、中国が買い控えを続けているにもかかわらず依然として均衡状態を保っている。中国市場の在庫の消化が進むと、再び品不足の事態となる可能性が強い。

 わが国のBP-Aメーカーの定修は、例年春先から夏場にかけて多くが実施されるパターンとなっている。今年も同様で、4月中旬から8月中旬までの4ヶ月間に合計4社が計5基のBP-Aプラントを定修のため運休する。
出光石油化学が4月19日から29日までの間に千葉工場内の年産7万6,000tプラントを運休して定修を実施したのに続き、三井石油化学が5月9日から6月3日まで予定で名古屋工場の同5万t設備の定修に入っている。このあとは、三菱化学が鹿島の同10万t設備を5月16日から60日間、三井化学が大阪の同6万t設備を7月4日から31日まで、そして新日鉄化学が戸畑の同10万t装置を7月15日から8月15日までそれぞれ運休する計画となっている。またこのうちの三井化学は、シンガポールの合計3基のうちの同7万t能力の第2号機についても6月5日から7月2日まで運休して定修を実施する予定にある。  

もともと中国をはじめとしたアジア全域の需給バランスは、わが国のBP-Aメーカーの生産活動に大きく左右されるのが常態となっている。このため当分の間、アジアの需給はウエルバランスで推移する見通しにある。今後の最重要ポイントは最大の消費国である中国の買い控えがいつまで続くかだが、大手商社の間には5月末には在庫が適正レベルになるので6月以降は再び需給がタイト化すると予想する向きが多い。