2001年12月14日
汎用樹脂の輸出の中国依存度が一段と高まる
10月の最高はPVCの89.5%、PPも54%
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:財務省

 汎用樹脂の輸出のうち、中国(香港を含む)に対する依存度が一段と高くなってきた。財務省の10月の輸出通関統計によると、同月における汎用各樹脂それぞれの月間総輸出数量に占める中国の比率は依然として他の国のそれを大きく圧倒しており、しかも、これまで以上に構成比率が高くなっている。
 
 10月の通関実績のうち、中国向けが占める比率が最も高いのはPVCの89.5%で、以下はPSの78.8%、HDPEの67.2%、LDPEの65.5%、PPホモポリマーの56.4%、PPコポリマーの49.9%、PP合計の54.0%--となっている。
 これを今年1月の実態に比較すると、PVCは0.6ポイント、PSは11.1ポイント、HDPEは23.8ポイント、LDPEは8.0ポイント、PPホモポリマーは4.2ポイント、PPコポリマーは2.6ポイント、PP計は3.2ポイントそれぞれ高くなっている。PVCはすでに独占に近いレベルまで上がっているため6月との開きは小さいが、他の樹脂はかなりの幅の拡大ということができる。
 さらに前年同月の構成比に比較すると、PSこそ1.1ポイントの縮小となっているが、他の樹脂は軒並み拡大している。PVCは2.1ポイント、HDPEは17.6ポイント、LDPEは5.0ポイント、PPホモポリマーは13.4ポイント、PPコポリマーは7.9ポイント、PP計は11.4ポイントそれぞれ増えている。
 このように中国依存度が高くなっていることは、わが国の汎用樹脂業界の事業基盤が依然に比べて安定度を欠くかたちになっていることを表していると見る関係者が多い。