2003年05月13日
PS4月の内需、前倒し需要の反動で前年割れに
生産は定修設備の大幅減で前年超え
【カテゴリー】:実績/統計
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が13日に集計したところによると、PS(ポリスチレン)の4月の総出荷数量は7万5,771tとなった。前年同月の実績を20%下回っている。うち内需は7万1,412Tで11%減、輸出は4,359tで71%減、ともに大幅に縮小している。

 内需の縮小は、今年1月いらい続いてきた前倒し需要の反動が出たことによるものと見られている。前倒し需要がほとんどなかった電気・工業用は前年同月を4%上回って10ヶ月連続の前年同月超えとなっているが、他の品種は軒並み大幅減となっている。包装用は10%、雑貨産業用は15%、FS用は23%それぞれ前年を下回っている。

 一方の輸出の大幅減は、中国や香港の市中在庫が過剰状態にあって引き合いと注文が縮小したこと、日本のPSメーカーの間で採算割れの商談を思い切って見送るところが相次いだことによるもの。成約のほとんどが日系ユーザーなど特定の需要家に限定した形となっている様子。

 片や同月の生産は、9万3,474tとなった。前年同月を22%上回っている。これは、前年同月に5工場を数えた定修による運休工場が、今年4月は、わずか1工場にとどまったことが大きいとみて良さそう。また、5〜6月に合計4工場が定修する予定にあり、それに備えて在庫の積み増しに乗り出したことも作用していると見られる。