2003年05月16日 |
電化、耐熱150℃のABS樹脂に重点 |
ブレンド用IPも増設、外販へ |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:電気化学工業 |
電気化学工業はABS樹脂の耐熱性を向上させるマレイミド樹脂(IP=イミド化ポリマー)の設備増強にのりだした。ABS樹脂とIPをブレンドした樹脂を同社は「マレッカ」の商品名で発売しているが、増設後はIPそのものも単独で販売する方針。 IPをブレンドしたABS樹脂は耐熱性が150℃(汎用ABS樹脂はは80〜90℃)ていどまでアップする。同社のIPは千葉工場の年産6,000トン設備で生産しているが、これを9月ころまでに1万トンに増強する。設備資金は数億円。さらに半年後には1万5,000トンていどまで拡大する方針。 IPはスチレンと無水マレイン酸からつくり、アニリンでイミド化する。これを20%前後、ABS樹脂にブレンドすることによって耐熱性がいちじるしく向上する。IPの耐熱性は約200℃。 電化ではマレッカを携帯電話やカーナビ、カーオーディオ用などに販売しているが、急速に伸びており、今後はポリエチレンテレフタレート(PET)のボトル分野にも市場を開拓したいとしている。 IPの外販は、いまのところライバルが少なく既存のABS樹脂メーカーからも外販の要請が多いために、これに対応することにしたもの。 同社はマレッカのほか、透明樹脂やシュリンク包装用樹脂「クリアレン」などの業績が好調に推移しているので、これらを機能樹脂として、特に強化することにしている。 マレッカは東南アジアへの輸出も活況をみており、汎用ABS樹脂のトン;800〜900ドルに対し50%アップほどの価格で取り引きされている。 |