2003年05月19日
旭硝子と宇部興産、フッ素とナイロンの2層チューブを共同開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:旭硝子、宇部興産

 旭 硝子と宇部興産の両社は19日、フッ素系樹脂とナイロン12 樹脂からなる2 層チューブシステム「SUNBESTA」を共同開発したと発表した。

 旭硝子はフッ素系樹脂、宇部興産はナイロン12 樹脂をもっているが、フ ッ素系樹脂は燃料透過バリアー性、耐薬品性に優れ、またナイロン12 樹脂は柔軟性・耐低温衝撃性、耐薬品性に優れているなどの特徴をもっている。このため両材料から構成される多層システムは、環境保護の観点からも注目され、自動車の燃料蒸散規制や、アルコール燃料など代替燃料の使用に対応するものとして、自動車メーカーに採用されてきた。

 しかし、これまでの方法では、両樹脂の間に接着材層が必要で、接着強度や耐久性などの点から性能が劣化するといった難点があった。両社は、それぞれの樹脂本来の特性を生かしながらこれらの点を解消し、通常の共押出成形で相手樹脂と強固に接着する材料の開発に成功した。

 両社はすでに国内外の顧客にサンプルワークを開始し良好な評価結果を得ている。また、自動車燃料用だけではなく、各種産業用チューブ・ホースとしての利用も可能なところから、幅広い分野での用途開発も進めて行く計画だ。

「SUNBESTA」システムの特徴は次のとおり。
(1)接着材層が不要で、フッ素樹脂とナイロン12 樹脂との2 層のみで構成される。
(2)アルコール燃料浸漬後も強固な接着強度を保持する。1000 時間浸漬後も界面剥離しない。
(3)燃料透過量、蒸散量が少ない。米国の環境規制である CARB LEV-II 規制に対応す
る。
(4)共押出成形が可能で加工特性に優れている。
(5)耐薬品性に優れている。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/cgi-bin/fax/search.cgi?CODE=994