2003年05月19日 |
奥村・DIC社長が会見、高付加価値品事業の拡充に意欲示す |
引き続き中国市場の拡大にも注力 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:大日本インキ化学工業 |
大日本インキ化学工業(DIC)は19日、平成15年3月期の決算発表会を開き、同期の業績と今期の見通しを明らかにした。席上、奥村晃三社長は、15年3月期の連結営業利益と連結経常利益がともに前の年を大幅に上回って復配を果たせたことについて「高付加価値製品や環境対応型製品が世界各地で順調に伸びたことと、欧米における事業拠点の再構築によってコストの合理化が進んだことが主たる要因」と説明、合わせて今期の業績にも言及して「中国をはじめとした世界全域における高付加価値・環境対応型製品の育成によって引き続きグループ全体の収益を拡大していきたい」と差別化製品事業のグローバルな展開による業績向上に対する強い意欲を示した。 同社長の発言要旨は以下の通り。 ▽15年3月期も厳しい経営環境が続いたが、その中でもなんとか営業利益と経常利益を増やすことができた。この要因としては、(1)国内で高付加価値型や環境対応型ならびにIT関連の製品が順調に伸びたこと(2)中国を中心としたアジア地域で当社グループの主力製品であるグラビア印刷インキや新聞印刷インキの需要が大きく伸びたこと(3)欧米においてコスト合理化を目的に展開してきた各種の事業拠点の統・廃合が一定の成果を上げ始めたこと--などが挙げられる。こうしたことによって、有利子負債を226億円減らすことができ、年4円の復配も実現できることになった。 ▽今期も引き続き増益を果たしたい。連結営業利益は24.5%増の500億円、連結経常利益は71.5%増の350億円、当期純利益は2.1倍の50億円を見込んでいる。 ▽こうした目標をクリアしていくため、中国を中心としたアジア市場の拡大に一層力を入れていきたい。ついては、中国・南通に建設する顔料工場や上海に設立する統括持ち株会社などの機能をフルに活かしていきながら狙いを達成していくようにしたい。また、欧州では生産拠点の集約化などで引き続きコストの合理化を進めるとともに、当社グループ特有の環境対応型製品などの差別化製品をより積極的にトランスファーしていく。国内では、(1)印刷材料や工業材料部門における環境調和型製品の育成(2)ポリマー添加剤、農薬、石化製品・プラスチック成型品の事業の拡大(3)DVD用接着剤や液晶材料を中心とした電子情報材料の着実な成長--といったテーマの実現に多くのエネルギーを投入していきたい。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/03519003.tif |