2003年05月26日
昭和電工の酢エチの生産が内外でともに縮小
インドネシアでは定修、徳山では生産調整
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:昭和電工

 昭和電工の海外法人の一つである昭和エステリンド・インドネシアは、先週からインドネシア・メラク工業団地内の酢酸エチル製造設備の定修に入った。
 同設備の年間生産能力は5万t。運休期間は6月中旬までの約1ヶ月となる見通し。昭和エステリンドは、東南アジア地域の需要家の買い控えに対処して4月早々から稼働率を80%どころに調整してきた。それがさらに向こう1ヶ月にわたって全面運休となるわけで、これによって同社の今年4〜6月の生産量はかつてない極端な低水準に落ち込むことになる。
 
 しかも親会社の昭和電工は、これに先駆けて4月半ばから同社徳山事業所内の酢酸エチル設備の稼動率を調整中でもある。同事業所内の設備能力は年産15万tだが、現在はその8割方に生産を絞っている。中国の需要の停滞と価格の落ち込みに対処しての措置で、同社では少なくとも5月末までは8割稼動を続ける考え。
 このため、当面の昭和電工グループの酢酸エチルの生産量は日本とインドネシアの両拠点トータルで年換算8万t分縮小する。率にして4割の減産となる。アジア地域における最大のシェアホルダーの大幅減産とあって同地域全体の需給バランスはこれによってかなっり改善されることになりそう。