2003年05月26日
三菱化学とサウジのナフサのプレミアム交渉が決裂
サウジ側の増額要求を三菱化学が拒否
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学がロンドンでサウジアラムコとの間で進めていたサウジ産ナフサの今年下期(7〜12月)分のプレミアム価格交渉が決裂した。
 
 19日から始まった交渉では、三菱化学が上期分を下回る額を提示したのに対してサウジアラムコが逆に増額の受け入れを要求、いらい数回にわたって話し合いの機会を持ったものの双方ともに歩み寄りを見せず、結局先週末をもって物別れとなった。三菱化学とサウジアラムコによるナフサのプレミアム価格交渉が決裂したのは今回が初めて。三菱化学がサウジの増額要求を拒否したのは、同社自身もまた需要業界もかつてない厳しい経済環境に置かれていて原料価格の引き上げ要求を受け入れられる状況にないため。
 これに伴い、少なくとも向う半年は三菱化学とサウジアラムコとのナフサの直接取り引きは停止となる。ただし三菱化学では、下期に必要なナフサはすでに他の国から調達できるように十分な手を打っているのでサウジアラムコとの取り引き停止によって支障が生じる心配は一切ないという。

 今回の交渉の対象となったのは(1)軽質NGL=A-180(2)ラビ港積みフルレンジナフサ(3)ジュベール積みフルレンジナフサ--の3種。上期のプレミアム金額(MOP-Jマイナスサウジ側が設定するフレートに上乗せする金額)は、A-180がトン当たり6.5ドル、ラビのフルレンジナフサが同5.0ドル、ジュベールのフルレンジナフサが同4.0ドルであった。三菱化学が今回提示した下期の金額は明らかでないが、サウジ側が要求した額は、上期の金額にそれぞれ0.5ドル上乗せするものであったといわれている。
 
 今回の交渉には、日本の複数の大手商社と韓国の石油化学企業ならびに商社も参加した。これらは引き続き交渉中だが、一部はサウジ側の要求を受け入れることにしたようだ。