2001年12月12日
松下電工が新型のコンデンサフィルム プリント回線板を高密度化
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:松下電工

 松下電工(西田一成社長、大阪府門真市、06-6908-1131)は世界最高レベルの高誘電率をもつ「コンデンサフィルム」を開発、実用化に向けてサンプル出荷を始めた。
 
 パソコン、携帯電話などの情報機器に使用される回路基板はより高密度化および高速信号処理化が求められる一方で新たに発生するノイズの解消と高密度実装を可能にする新材料の開発が必要となっていた。
 
 同社はエポキシ樹脂と高誘電率フィラー(充てん材)の組み合わせで構成するフィルムで電気容量を大きくした。
 回路基盤上のバイパスコンデンサの機能をシートの形で回路基盤内に取り込むことができる。また、コア材やビルトアップ材としても使用でき、普通のプリント板加工が可能になるとしている。
 
 このコンデンサ(蓄電素子)フィルムの開発は熱硬化性樹脂材料技術や樹脂コーティング技術、無機誘電体材料技術、複合化技術などこれまで蓄積してきた技術の集積で行われた。従来のガラスクロスに樹脂を含浸した回路基盤用材料と異なる。

 特徴としては(1)薄型で世界最高レベルの高電気容量(2)一般のプリント板加工が可能(3)ノイズの低減(4)基板の縮小と機器の小型化などをあげている。
 高電気容量は非誘電率が1kHz時40(従来は16)、電気容量は7~25nF(ナノファラド/平方inch)、厚さ30~10μm。

 当初は同フィルム月産1,000平方メートルでスタートし、将来的には1万平方メートルに拡充する予定。量産は2003年中。