2003年06月02日
HDPEの大型ブロー用品種の出荷が引き続き大幅増
ガソリンタンク向け需要が支え、4月も前年を23%上回る
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 HDPE(高密度ポリエチレン)の大型中空成形用品種の出荷が依然として大幅な伸びを続けている。同品種の4月の出荷数量は約3,500tとなった模様。前年同月の実績に対する伸び率はおよそ23%になったと見られる。ポリオレフィンの品種の中ではめずらしい高率成長となっている。
 
 この結果、同品種の月間出荷量の前年同月超えは11ヶ月連続となった。しかもこの間の伸び率は最低でも20%台、最高は70%台と極めて高い。
 これは、国内の自動車メーカーがガソリンタンクの樹脂化に本腰を入れて取り組み始めたことによるもの。昨年夏場以降に発売された新型車の多くにはHDPEを中空成形したガソリンタンクが搭載されており、しかも今後のニューモデルには全て樹脂製タンクが採用される見通しにある。軽く、錆びず、しかも任意の形状に成形できること--などが自動車メーカー各社に評価されてのもので、同樹脂メーカーの多くは向こう3年の間にガソリンタンクの半分が樹脂タンクに切り替わるとの見方を強めている。なお、EU域内ではすでに90%が、また米国では65%が樹脂製タンクに替わっているとのデータもある。