2003年06月02日
アジア地域のオレフィン相場が急反騰
需給バランスの改善等が作用
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:東ソー

 大手商社各社によると、極東ならびに東南アジア地域におけるオレフィンのスポット相場がここにきて急反騰してきた。
 先週末のエチレンのCFR価格はトン当たり430〜450ドル、プロピレンは同550〜600ドルとなっている。最近のボトムの5月上旬に比べると、エチレンもプロピレンも同80〜100ドル高い。
 
 反騰の背景については、各商社とも、(1)原料ナフサ価格が反騰してきたこと(2)過去1ヵ月の相場の下落幅がナフサに比べて大きすぎたためサプライヤー各社が逆ザヤ現象に耐えられなくなってきたこと(3)多くの市場で誘導品の在庫が乏しくなってきたためオレフィンの需要が回復傾向をたどりはじめたこと(4)韓国や日本のオレフィンの供給力がエチレンプラントの定修の長期化や操業トラブルなどで縮小してきたこと--などの点を要因に挙げている。
 
 このうちのオレフィンの供給力の縮小は、韓国・三星綜合化学の年産55万t能力のエチレン装置の定修・運休期間が当初の予定より約10日長くなって再稼動が5月29日にずれ込んだこと、東ソーの同49万3,000tのエチレンプラントが5月15日から1ヵ月、また山陽石油化学の同48万t設備が5月24日から6月5日までの12日間それぞれ操業トラブルのため運休していること--等によるもの。また、プロピレンに関しては、これらに加えてタイとマレーシアのプロパンデハイドロ装置とFCC装置が近く定修に入る予定にあるため一段と反騰に弾みがついている模様。
 
 今後もなおしばらくは、エチレンもプロピレンもアジア地域では強含みの相場が続くと予想する向きが多い。