2003年06月03日
SMの市況もアジア地域で急反騰
中国のCFR価格、トン650〜670ドルに
【カテゴリー】:市況
【関連企業・団体】:旭化成

 大手商社ならびにSM(スチレンモノマー)メーカー筋によると、アジア地域におけるSMのスポット相場がオレフィン同様に先週明け以降急反騰してきた。
 最大の消費地である中国の直近のCFR価格はトン当たり650〜670ドルとなっており、1週間でおよそ100ドル上がっている。最近のボトムに比べると170〜180ドル上昇したことになる。
 
 こうした急反発の要因については、(1)日本と韓国のSMメーカーの減産と米国のSMメーカーの対中輸出の激減による供給の大幅な減少(2)中国国内のPS、EPS、ABS等の誘導品の需要の回復によるSMの在庫の縮小(3)トレーダー筋の先高観に基づく買い出動の活発化--の3点が挙げられている。
 このうちの供給の減少は、(1)アジア地域における春のSM設備の定修・運休企業が韓国で4社、日本で3社、マレーシアと台湾で各1社の合計9社に達したこと(2)三星綜合化学の定修後の立ち上がりの遅れと山陽石油化学(旭化成)のエチレンプラントのトラブルならびに出光石油化学のSMの減産によって最近の10日でSMの生産が合計3万2,000t縮小する事態となったこと(3)3月まで積極的に中国に輸出してきた米国が4月以降採算割れを理由に船積みを停止しているため、1〜4月に約19万tにも達した米国製SMの輸入が5月上旬以降ほとんど無くなっていること--等の要因によるもの。
 このため、最近は特に中国の需給バランスが大きく様変わりしてきているわけで、PS製クリスマス用玩具の生産シーズンに入るこれからはさらに市況が上がる可能性がある。